コンピューティングの選択肢 — オンプレ/IaaS/コンテナ/PaaS/サーバーレス

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「作ったアプリを、どこで・どうやって動かすか」——これは開発で必ずぶつかる選択です。オンプレミス/IaaS(EC2のようなインスタンス貸し)/コンテナ/PaaS/サーバーレス・BaaS。名前は聞いたことがあっても、「結局どう違って、自分(や自社)はどれを選べばいいの?」は意外とモヤッとします。

この文書は、完全に未経験の人でも「違いと選び方」が腹落ちすることをゴールに、AWS・Firebase・Vercel・Supabase など“いま使われている具体例”を出しながら、用途・コスト・セキュリティ・長期メンテまで総合的に見ていきます。

いちばん大事な考え方:「どこまで自分でやるか」の“はしご” 🪜

5つの選択肢は、別々のバラバラなものではありません。「どこまで自分で管理し、どこから人(クラウド)に任せるか」 という1本の“はしご”の、どのあたりに立つか、の違いです。

 自分でやることが多い(自由・でも責任と手間も大)
    ▲
    │   オンプレミス        … ハードから全部自分で持つ
    │   IaaS(インスタンス)  … サーバー(土地)を借りて、OS から上は自分(AWS EC2 など)
    │   コンテナ            … アプリを「箱」に詰めて、どこでも同じに動かす(Docker / Cloud Run)
    │   PaaS               … コードを置くだけ。動かす土台はお任せ(Heroku / Vercel / Render)
    │   サーバーレス・BaaS    … バックエンドごと借りる。使った分だけ(Lambda / Firebase / Supabase)
    ▼
 任せる(楽・速い・でも制約とロックインも増える)

💡 下に行くほど「楽で速い」、上に行くほど「自由で何でもできる」。どっちが上等という話ではなく、状況に合うものを選ぶ——これが、この文書のいちばん伝えたいことです。

🍕 ピザでたとえると(早見)

選択肢 ピザでいうと 何が「自分の担当」?
オンプレ 小麦粉から家で作る キッチンも調理も後片付けも全部
IaaS 生地キットを買って自宅で焼く キッチン(ハード)は借りる。焼き方(OS・運用)は自分
コンテナ 冷凍ピザ(どのオーブンでも同じ味) 中身を「箱」に詰めるのは自分。どこでも同じに動く
PaaS 宅配ピザ 焼いて届くのはお任せ。テーブルと飲み物(アプリ・データ)は自分
サーバーレス/BaaS 一切れずつ頼んで食べた分だけ払う 注文(コード・設定)だけ。台所のことは考えない

🔑 どれを選んでも変わらない“鉄則”

どんなに「お任せ」にしても、あなたのデータ・設定・アクセス権(鍵)だけは、最後まであなたの責任です。クラウドの設定ミス(公開設定・権限・鍵の置き場所)は、規模を問わず最大の事故原因。姉妹教材の「鍵を守る」「データは誰のもの?(RLS)」と地続きの話として、本書でもくり返し出てきます。

この文書の読み方

  • 各ページは「📖 ゴール → たとえ → 具体サービス → 向き/不向き → コスト/セキュリティ/メンテ → 誰が使う → ことばメモ」の順。
  • むずかしさの目印:🟢 基礎(全員) / 🔧 応用(読み飛ばしてOK)
  • 急ぐ人は、第3部(誰がどう選ぶ)まとめ(フローチャート&早見表)だけでも判断material になります。

目次

第1部 まず全体像

第2部 5つの選択肢を1つずつ

第3部 横断して総合評価

第4部 誰がどう選ぶ

まとめ・付録


この文書の到達点

最後まで読むと、こんなことができるようになります。

  • 「オンプレ/IaaS/コンテナ/PaaS/サーバーレス」の違いを、たとえ話で人に説明できる
  • AWS・Firebase・Vercel・Supabase などがはしごのどこにいるかわかる
  • 自分の立場(個人〜大企業)と用途から、最初の一手を選べる
  • コスト・セキュリティ・長期メンテをまとめて天秤にかけて判断できる