第3章 言葉とスイッチ — 肯定形にそろえる、ラベルは短く、ボタンは動詞
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ひとことで
画面の言葉は、短く、肯定形で、利用者がふだん使う言葉にします。スイッチは「切り替えた瞬間に効く二択」にだけ使い、ボタンの言葉は「押すと何が起きるか」が分かる動詞にします。
利用者の言葉を使う
インターフェース上で使う文言は、システム内部の技術用語や運営者の業界用語ではなく、ユーザーが普段使っている一般的な表現を用いる。
— ソシオメディア「ユーザーの言葉を使う」
同じページの例は航空券の予約です。出発地の選択肢に「NRT」「HND」のような空港コードではなく、「成田空港」「羽田空港」のような空港名を出す、というものです。NN/g の10原則では2番目「システムと現実世界の一致(Match Between the System and the Real World)」にあたります。
| 避けたい例 | 改善例 |
|---|---|
| 「ステータス: pending」 | 「状態: 確認待ち」 |
| 「セッションが無効です」 | 「しばらく操作がなかったので、もう一度ログインしてください」 |
| 「レコードを削除しますか」 | 「この予約を削除しますか」 |
肯定形と否定形をまぜない
設定の項目は「〜する」の形にそろえます。否定形が混ざると、利用者は項目ごとに「オンは、する? しない?」を考え直すことになります。
| 避けたい例 | 改善例 |
|---|---|
| 「通知を受け取る」と「メールを受け取らない」が並ぶ | 「通知を受け取る」「メールを受け取る」にそろえる |
| 「自動保存を無効にする」がオフ | 「自動保存する」がオン |
| 「広告を表示しない」をオンにすると広告が消える | 「広告を表示する」をオフにする |
| 「確認を省略しない」 | 「削除の前に確認する」 |
NN/g のトグルスイッチの指針も、ラベルは「短く、直接的に」、どちらの状態かが一目で分かるように、としています(Toggle-Switch Guidelines)。二重否定(「無効にしない」)は、その場で読み解けません。
スイッチ・チェックボックス・ラジオボタンの使い分け
形が似ていても役割が違います。間違えると、利用者は「保存ボタンを押したのに効いていない」「押した覚えがないのに変わっている」と混乱します。
| 部品 | 使う場面 | 使わない場面 |
|---|---|---|
| スイッチ | 切り替えた瞬間に効く二択。通知のオン・オフ、表示の切り替え | 保存や送信を押して初めて効くもの |
| チェックボックス | 複数の項目から好きな数だけ選ぶ。フォームの中で保存と一緒に効く | 一つしか選べない質問 |
| ラジオボタン | 複数の選択肢から一つだけ選ぶ | 選択肢が多すぎるとき(一覧から選ぶ部品にする) |
デジタル庁デザインシステムは、スイッチを「切り替えたら即座に反映される設定項目のためのコントロール」とし、「保存ボタンや送信ボタンなどの確定動作を要するもの」にはチェックボックスやラジオボタンを使うとしています(スイッチ)。チェックボックスのページには、一つしか選べない質問(「あなたは申請者本人ですか?」)にチェックボックスを使った悪い例が載っていて、「この場合は、ラジオボタンを使用してください」と書かれています(チェックボックス: 使い方)。NN/g のトグルの指針も同じで、スイッチは即時に効く二択に限り、フォームの送信が要るならチェックボックスかラジオボタンに、です。
ボタンの言葉は動詞で、結果が分かるように
「OK」「はい」「いいえ」は、何が起きるかを言っていません。NN/g は確認ダイアログについて、はい・いいえではなく、それぞれの選択で何が起きるかを要約した言葉にせよ、と書いています。
Instead of Yes/No answers, provide response options that summarize what will happen for each possible response. For example, in the case of file deletion, use buttons labeled Delete file and Keep file.
— NN/g「Confirmation Dialogs Can Prevent User Errors — If Not Overused」
| 避けたい例 | 改善例 |
|---|---|
| 「本当に削除しますか?」[OK][キャンセル] | 「この予約を削除しますか?」[削除する][残す] |
| [送信](何を送るのか分からない) | [申込を送信する] |
| [はい][いいえ] | [保存して閉じる][保存せずに閉じる] |
入力欄のラベルと入力例
入力欄の名前(ラベル)は、欄の上に置き、入力例(プレースホルダー。欄の中に薄く出る文字)で代用しません。入力例は書き始めた瞬間に消えるので、何の欄だったか分からなくなります。デジタル庁デザインシステムは「サポートテキストを企図して、プレースホルダーテキストを使用してはなりません」としています(インプットテキスト: 使い方)。必須か任意かは、欄の名前の横に「※必須」「※任意」のように明示します。
やってみる
設定画面の項目名を全部書き出し、「〜する」で終わっていないものに印を付けてください。印が付いた項目を肯定形に書き直し、オンとオフの意味が入れ替わっていないか確かめます。
出典
- ソシオメディア「ユーザーの言葉を使う」
- NN/g「Toggle-Switch Guidelines」「Confirmation Dialogs Can Prevent User Errors — If Not Overused」「10 Usability Heuristics」(2. Match Between the System and the Real World)
- デジタル庁デザインシステム「スイッチ」「チェックボックス: 使い方」「インプットテキスト: 使い方」
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